2024年3月に東京湾の埋立地で開催された公演、
ヌトミック × 2.5 architects『しらふの地先へ』のアーカイブブックが完成しました!
以下の実店舗でもお取り扱いいただいております。
・コ本や(東京・神楽坂)
・けんちくセンターCoAK(京都、5月〜)
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『しらふの地先へ』アーカイブ
¥3,000
Toward the end of the sober island: archives ヌトミック × 2.5 architects Nuthmique × 2.5 architects 埋立地をめぐる創作やリサーチの過程、対話、批評、戯曲が詰まったアーカイブ 本書は、2022年の末に構想が始まり、2024年の3月に公演として発表されたヌトミック × 2.5 architects『しらふの地先へ』のアーカイブブックです。 2.5 architectsは、2019年の夏にふと東京湾の中央に見慣れない巨大な人工島を見つけた時から、その変化する景色に魅せられてきました。そこは東京で一番新しい大地、まだ生まれたばかりで色付いていない東京でした。 この場所では私たちが知らぬ間に、国や都のトップダウンによって計画されたことが着々と実行されています。しかし一方で、この土地は私たちの日々排出する物質で形作られた大地であり、私たちのものでもあるのではないでしょうか。生い茂る植物、まだコントロールされていない場所、それらから生じる見慣れぬ風景と余白、そんなこの土地の魅力に共感したヌトミックと共に、トップダウンに対するカウンターとして、一市民の視座から声を上げることにしました。『しらふの地先へ』と題された一連のプロジェクトを通じて、多くの人々の思いや感覚が真っ新な土地に宿った時、新たなゲニウス・ロキ(地霊)が形づくられはじめるのではないか、と考えています。 時系列に収められた記録を通じて、このプロジェクトがどのような過程を経て実現に至ったのか、その過程で私たちが何を感じ考えていたのかを知っていただけたら嬉しく思います。関係者の皆様にも、さまざまな形で寄稿いただきました。『しらふの地先へ』に参加いただきました皆様にも、改めましてお礼を申し上げます。 A5サイズ・全171ページ・カラー/モノクロ印刷・コデックス製本 2024年6月30日刊行 発行 2.5 architects 編者 葛沁芸、森藤文華 著者 葛沁芸、額田大志、森藤文華 寄稿者 アグネス吉井、池田佳穂、岡本光樹、河野遥、 渋革まろん、清家愛、中西隆雄、長沼航、服部浩之、原田つむぎ、光岡幸一、本藤美咲、渡邊織音 デザイン 関拓弥 印刷・製本 株式会社イニュニック 『しらふの地先へ』https://nuthmique.com/post/739783309073301504/shirafu ヌトミック https://nuthmique.com 2.5 architects https://25-architects.com
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『青海三丁目 地先の肖像 1』
¥2,000
『青海三丁目 地先の肖像 1』 2.5 architects 著・編集・発行 A5サイズ・78ページ・全頁カラーオフセット印刷 私家版、110部限定 2.5 architectsによる、東京湾岸部の最終処分場である巨大な埋立地「青海三丁目地先」をめぐるプロジェクトの記録集です。 2019~2021年にかけて、現地をリサーチした際の写真と日記による記憶と記録のアーカイブ。全冊作家2名のサイン入り、ナンバリング入りとなっています。 Introduction. この土地は、最終処分場として都市のゴミを一手に引き受けながら、オリンピックの会場となるはずの場所だった。一刻一刻姿を変えるこの場所で、どのような地霊(ゲニウス・ロキ)を見出すことができるだろうか。 地質学者によると、現代は奇跡的に海水面が安定している時代だという。沿岸部や埋立地に都市が発達したが、またいつ海水面が変化するかわからない。「青海三丁目地先」は、地球規模の視点から見れば刹那的な、しかし人間の視点から見れば多くの年月をかけて作り出した埋立地である。そこは都市の最前線であると同時に、最初に無くなる都市なのかもしれない。 2.5 architects https://25-architects.com
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『青海三丁目 地先の肖像 2』
¥3,000
『青海三丁目 地先の肖像 2』 2.5 architects 著・編集・発行 A5サイズ・166ページ・全頁カラー印刷 私家版、110部限定 2.5 architectsによる、東京湾岸部の最終処分場である巨大な埋立地「青海三丁目地先」をテーマとしたアートプロジェクトの作品集です。 「青海三丁目 地先の肖像 1」の続編となっており、2020-2022年にかけて行った活動の記録として、ワークショップや展示、トークイベントなどの記録を中心としながら、引き続き行ってきたフィールドリサーチの記録も収録しています。さまざまな方々とさまざまな形で対話をしながら、埋立地についてのリサーチを深めています。 全冊作家2名のサイン入り、ナンバリング入りとなっています。 Intro. 「プロジェクトの始まり」 東京という都市について考えていた時に、地図の中の海の上に見知らぬ3km四方の土地があることに、そして、この広大な埋立地について、我々はほとんど何も知らないことに気づきました。この場所はかつて「青海三丁目地先」と呼ばれていたところで、今日も刻一刻と埋め立てられ生まれつつある東京のフロンティアでもあり、東京五輪の会場ともなる予定の場所でした。地質学者の方が言っていた言葉も頭をよぎりました。次のようなことです。「現代は奇跡的に海水面が安定している時代であるが故に、沿岸部や埋立地に都市が発達したが、またいつ海水面が変化するかわからない。」 「はじめての上陸」 そこへ初めて足を踏み入れたのは、2019年の夏、とても暑い日でした。現地へ向かうルートはバス一本のみ。トンネルをくぐると、そこは平たく風の強い、トレーラーの走る土地でした。バス停から道なりに進むと、ベットボトルの山、信号のまだない横断歩道、街路樹に盛り上げられたアスファルトが、次々と現れ、ついには歩道も無くなりました。横幅10mほどの広い道の脇には鉄くず、ガラス、廃棄物とともに、生い茂るクズやヨモギ、濃い緑がせめぎあ っていました。 海の森公園と名前のついた丘を登ると、芝生が目の前に広がり、遠くに風力タービンが緩く回っていました。歩いて初めてわかる大地の大きさに、息を切らせて横になると、風にのって草の匂いがします。草の下の大地は、生きている間出し続けたごみであり、この島の一角を自分も作ってしまったのだ、と強烈に実感しました。この島は東京という都市の裏返しでもあると、わかった瞬間でした。 2.5 architects https://25-architects.com